2016年8月1日月曜日

仮想測定例 溶接構造物 SUS304

この事例は、仮想的なもので実際とは相違します。
  1. 材質SUS304
  2. 定期的にホットスポットにΔσ 100MPaの圧縮応力がかかる構造物。
  3. 繰り返し荷重が 200万回を超えたくらいから疲労亀裂が止端部に発生した。
  4. 継手の形状は面外ガセット
解説
  1. 止端部は、溶接の引張応力が最大になりさらに応力が集中する形状になっているのでキレツが発生しやすい。
  2. 鋼構造物の疲労設計指針・同解説によると面外ガセット(非仕上げ)の疲労強度は、Δσ 50MPaであり、これをΔσ 100MPa程度に向上させる必要があった。
  3. ピーニングを選択し、ピーニング前後の止端近傍の応力を測定した。ピーニング前は、最大300MPa程度の引張、ピーニング後は最大500MPa程度の圧縮となった。また、荷重のあるなしでも測定した。止端近傍では、2倍程度の応力集中が測定された。
  4. したがって、ピーニング前は、平均応力が引張200MPaでΔσ 200MPa相当の応力がかかっていたと推定され、ピーニング後は、平均応力が圧縮400MPa相当になったと推定されピーニングの効果が検証された。
  5. ピーニング後は最大500MPa程度の圧縮は加工効果によりものと推定される。

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