2次元検出器によるX線応力測定 日本保全学会編を読んでいて思った。
X線回折を利用して応力を測定する方法は、従来からのsin2ψ法と新しく2次元検出器によりメジャーになりつつあるcosα法があり、その優劣についても議論されている。
その議論を見ていて思い出されるのはモルトウィスキーとグレーンウィスキーの論争である。それまでウィスキーといえば大麦でつくったモルトウィスキーでしたが、連続式蒸留器の発明によりトウモロコシ等別の材料でもウィスキーを作ることができるようになりました。グレーン・ウイスキーはまがい物であるとするモルト・ウイスキー業者とグレン・ウイスキー業者の間でずっと論争が続いていました。裁判にもなりました。でもそのうちに論争は下火になりました。なぜか、モルトとグレーンをブレンドしたブレンドウイスキーがでてきてそれが美味しかったからです。
当社のような様々な対象を測定するユーザーとしてみれば、ハイブリッドで両方のいいとこ取りができないか考えている今日この頃です。
2016年8月18日木曜日
2016年8月1日月曜日
仮想測定例 溶接構造物 SUS304
この事例は、仮想的なもので実際とは相違します。
- 材質SUS304
- 定期的にホットスポットにΔσ 100MPaの圧縮応力がかかる構造物。
- 繰り返し荷重が 200万回を超えたくらいから疲労亀裂が止端部に発生した。
- 継手の形状は面外ガセット
解説
- 止端部は、溶接の引張応力が最大になりさらに応力が集中する形状になっているのでキレツが発生しやすい。
- 鋼構造物の疲労設計指針・同解説によると面外ガセット(非仕上げ)の疲労強度は、Δσ 50MPaであり、これをΔσ 100MPa程度に向上させる必要があった。
- ピーニングを選択し、ピーニング前後の止端近傍の応力を測定した。ピーニング前は、最大300MPa程度の引張、ピーニング後は最大500MPa程度の圧縮となった。また、荷重のあるなしでも測定した。止端近傍では、2倍程度の応力集中が測定された。
- したがって、ピーニング前は、平均応力が引張200MPaでΔσ 200MPa相当の応力がかかっていたと推定され、ピーニング後は、平均応力が圧縮400MPa相当になったと推定されピーニングの効果が検証された。
- ピーニング後は最大500MPa程度の圧縮は加工効果によりものと推定される。
オーステナイト系ステンレスSUS304をCr管球で測定する際の注意点
オーステナイト系ステンレスSUS304をCr管球で測定する際の注意点
- フェライト等のKα線を使用する場合に比べてオーステナイトは、Kβ線を使うのでX線強度が1/10になります。ノイズやバックグランドの影響を受けやすく誤差が大きくなります。
- 加工誘起変態で一部がマルテンサイト化するのでマルテンサイトとオーステナイトの回折ピークが並立して応力の計算がうまくできない、誤差が大きい場合があります。
- SUS304は、加工硬化によりかなり硬くなります。そのため測定された応力値が0.2%耐力より大きな数字が出る場合があり、測定の信頼性を疑われる場合があります。
- フェライトより回折角が小さいので回折環が開いた状態になりより測定面と近づける必要があります。継手の形状によっては、溶接部分の応力測定が困難な場合があります。
したがって現場測定の場合は、同じ材料で同様に作成した簡易構造試験体(継手の形状はできるだけ同じ)でお試しの測定をしてから、測定の可否、精度を確認してください。
SUS304構造体の応力測定例
SUS304は、加工硬化が著しい材料ですのでピーニングの圧縮応力はかなり高くなる場合があります。
2016年7月22日金曜日
半導体メーカーにX線残留応力測定市場の説明に行ってきました。
X線センサー用のLSIを開発すべきか検討しているようでX線残留応力測定市場の動向について説明しました。市場についてはほとんど情報が公開されておらず、業界関係者に聞き取りをした情報をまとめたものをお話してきました。
最近の2次元センサーの進歩で応力測定時間は、10分の1になったばかりですが半導体のセンサーをさらに100分の1にする技術で、測定時間が約1秒になると何が起こるか非常に楽しみです。
最近の2次元センサーの進歩で応力測定時間は、10分の1になったばかりですが半導体のセンサーをさらに100分の1にする技術で、測定時間が約1秒になると何が起こるか非常に楽しみです。
2016年7月1日金曜日
お金出して測定しないと知見は得られない。
先日の2日にわたる現場測定で1日目の夜にお客様と食事をしながら色々な話をした。失敗するかもしれない測定で、その旨を正確にお伝えしたが、実行ということでドキドキしながら1日目の測定した。事前の試験体の予備測定から想像もつかない良いデータが得られた。
どうして失敗するかもしれない測定を実行することになったか聞いてみた。すると、やはりお金を出す上層部に反対はあったようであるが、反対する人に
「じゃ。あなたたち、この現象をわかっているのか?わかっていないならお金を出して測定(実験)をして知見をえるしかないでしょう。」
そのとおり!
なぜ実績も知名度もない当社を選んでくれたのか?
「データに信頼性があり、必要な知見をレスポンスよく提供してくれれば、実績や知名度は関係ない」
どうして失敗するかもしれない測定を実行することになったか聞いてみた。すると、やはりお金を出す上層部に反対はあったようであるが、反対する人に
「じゃ。あなたたち、この現象をわかっているのか?わかっていないならお金を出して測定(実験)をして知見をえるしかないでしょう。」
そのとおり!
なぜ実績も知名度もない当社を選んでくれたのか?
「データに信頼性があり、必要な知見をレスポンスよく提供してくれれば、実績や知名度は関係ない」
2016年6月21日火曜日
当社ウェブサイトに来られる方の訪問の際のキーワードと解説
| キーワード | 解説 | 関連ページ |
| マルテンサイト 残留応力測定 | 測定可能です。 | 測定対象鋼種 |
| ゾーダーベルグ線 | 残留応力と疲労寿命の関係に | 残留応力と疲労寿命の関係 |
| 残留応力測定 深さ方向 電解研磨 補正 | Q&A参照。非破壊検査協会標準は現在.作成中で.要問合 | 質問と回答 |
| 軸受残留応力 | 母材の残留応力が一定以下であること確かめます。 | 質問と回答 |
| sus403の残留応力 | 測定可能です。 | 測定対象鋼種 |
| アルミ溶接 残留応力 | 測定可能です。集合組織ができやすく。誤差が大きい場合が多いです。 | |
| グッドマン ひずみ | 残留応力と疲労寿命の関係 | |
| グッドマン線図 | 残留応力と疲労寿命の関係 | |
| パイプ溶接部 残留応力 | 外部はOK。内部は、内径300mm以下が測定できます。測定例参照 | 測定例と対象 |
| 残留応力 除去 | 熱処理SR、ピーニング等で可能です。 | |
| 残留応力測定 事例 | 測定例。参照 | 測定例と対象 |
| 電解研磨 残留応力 影響 | Q&A参照。非破壊検査協会標準は現在.作成中で.要問合 | 質問と回答 |
| 電解研磨の解放応力について | Q&A参照。非破壊検査協会標準は現在.作成中で.要問合 | 質問と回答 |
| 2d法 残留応力 | ||
| 2θ sinψ 残留応力 | ||
| cosα sin2ψ 違い 残留応力 | 集合組織、粗大結晶粒等がなければほとんど一致します。 | |
| cosα法による鋼板のx線残留応力測定 | 丸山氏博士論文を参照ください。 | 使用測定機器 |
| cu x線 残留応力 | 銅は測定標準がなく。伸銅協会と今後の方針を協議中です。 | |
| cu電解メッキ 残留応力 熱応力 | 同上 | |
| haz部 残留応力 応力分布 | 粗大結晶粒が発生していなければ測定できます。 | 溶接部の残留応力分布測定 |
| johnson 残留応力 | http://www.ntn.co.jp/japan/products/review/pdf/NTN_TR75_P128.pdf | |
| mm以下の測定 | リガクにお問い合わせください。 | |
| sinψ法 cosα法 相関 | 集合組織、粗大結晶粒等がなければかなり相関します。 | |
| sus304 応力測定 | 測定可。ショット等でα鉄が発生している場合分離が厄介です。 | |
| sus630 バネ鋼 | 測定可。 | 測定対象鋼種 |
| sus630 応力 ひずみ | 測定可。 | 測定対象鋼種 |
| x線 応力 計測 金額 | 5000円/点(3点以上)より承ります。 | 見積例 |
| x線 研磨焼け | 通常は、圧縮応力の低下として測定されます。 | |
| x線 残留応力 最表面 引張 | X線は表面数ミクロンの応力を測定します。 | |
| x線 残留応力測定 研削 | 研削、研磨により大きく変化します。 | 加工・研磨による表面応力の変化 |
| x線 電解研磨 応力解放 | Q&A参照。非破壊検査協会標準は現在.作成中で.要問合 | 質問と回答 |
| x線 内部応力 | 電解研磨に表面を除きながら測定ができます。 | |
| x線応力測定 鈴木賢治 | 有名な先生の一人です。 | |
| x線残留応力 jis | まだJISはありません。材料学会編あり、cosα法は作成中です。 | |
| x線残留応力測定 せん断 | 3軸の応力解析ではすべての成分が測定できます。 | 最新技術情報(金沢大学他) |
| x線残留応力測定 研磨 | 研削、研磨により表面の応力が大きく変化します。参考 | 加工・研磨による表面応力の変化 |
| x線残留応力測定 測定値バラツキ要因 | 要望が多ければ掲載準備します。 | |
| アルミ 6000 残留応力 | アルミは集合組織が発生しやすく腰が引け気味ですがお困りの方はご連絡を | |
| インコネル600の残留応力測定 | 測定可も経験がありません。 | |
| オンサイト 表面残留応力測定 | 現場測定で対応します。 | |
| グッドマン線図 残留応力 | 残留応力と疲労寿命の関係 | |
| グラインダー 研磨 表面応力 | 加工・研磨による表面応力の変化 | |
| グラインダーの加工熱 | QandA 15 熱および塑性変形によるもの参照 | 質問と回答 |
| グラインダー加工 応力変化 なぜ | QandA 15 熱および塑性変形によるもの参照 | 質問と回答 |
| ショットピーニング 残留応力測定 | X線は得意です。アルミもだいたいOKです。 | |
| ショットピーニング 電解研磨 | 電解研磨で少し掘ると圧縮応力がアップします。 | |
| バネ残留応力の測定方法 | 直径10mm以上あれば誤差10%の以内での測定が可能です。 | 測定例と対象 |
| ピンピーニング | 強力な圧縮応力の付加方法です。UIT PPPがあります。 | |
| フェライト 体心立方 変形 | その格子面間隔の変化で応力を推定します。 | 測定対象鋼種 |
| マルテンサイト系 残留応力 | 測定可能です。 | 測定対象鋼種 |
| 圧縮残留応力とは わかりやすく | キツキツでキレツ等が進展しにくい状態です。 | |
| 引張り応力 圧縮応力 | 引張はキレツが進展しやすい状態です。 | |
| 応力と疲労寿命の関係 | 残留応力と疲労寿命の関係 | |
| 応力ひずみ線図 疲労限度 | 残留応力と疲労寿命の関係 | |
| 応力測定 全品 | 金沢大学では、秒単位での測定が可能になっています。近い将来 | |
| 加工 圧縮 応力 残留 | 測定して見ましょう。参考 | 加工・研磨による表面応力の変化 |
| 加工熱による残留応力発生 | 測定して見ましょう。参考 | 加工・研磨による表面応力の変化 |
| 現場指向x線残留応力 | 非破壊検査の委員会です。幹事になりました。 | |
| 鋼 半価幅 | 要望が多ければ掲載します。 | |
| 鋼の疲労に及ぼす残留応力 | 残留応力と疲労寿命の関係 | |
| 鋼材の曲げ加工後の残留応力の測定方法は | 測定可。でもスプリングバックに注意です | |
| 鋼板の内部残留応力の解消方法 | 熱処理と降伏させる方法があります | |
| 最表面降伏とは | 最表面が最大応力を示す場合は多いのでそこから降伏します。 | |
| 残留応力 カムシャフト | 測定可。Rが小さいところは誤差が大きくなります。 | |
| 残留応力 引張強度 関係 | 降伏強度の高い材料が高い残留応力を保持します。 | |
| 残留応力 応力ーひずみ線図 | 実際に試験片を引張ると弾性域でも残留応力が発生します。 | |
| 残留応力 学会 | 材料学会、非破壊検査協会 | |
| 残留応力 簡易測定 専門 | お安くしていますので当社の本格的測定をお勧めします。 | |
| 残留応力 金属 測定 ひずみゲージ | ひずみゲージは、ゲージを貼った時からの差を測定します。 | |
| 残留応力 工具鋼 | 測定可 | 測定対象鋼種 |
| 残留応力 ψスプリット | 2θ sin2ψ 線図で想定されてない応力が発生した場合に出現します。 | |
| 残留応力単位 | MPaを使います。 | |
| 残留応力分布測定 | 0.5mmピッチくらいまでできます。 | 溶接部の残留応力分布測定 |
| 修正グッドマン線図 | 残留応力と疲労寿命の関係 | 残留応力と疲労寿命の関係 |
| 焼鈍 残留応力計測 実機 | 測定可能 | |
| 焼入れ後の曲がり原因 | 残留応力も原因の1つです。測定しましょう。 | |
| 成型品 残留応力 | 測定します。相談ください。 | |
| 切削 加工熱 残留応力 | QandA 15 熱および塑性変形によるものです。 | 質問と回答 |
| 接合 残留応力 | 溶接引張応力大。摩擦接合小。電子ビーム溶接小 | |
| 鋳物 残留応力 | 巣があるので難しいそうです。 | |
| 転動疲労 せん断応力 | NTN 転動疲労で検索お願いします | |
| 半価幅 残留応力 | 基本的には残留応力の絶対値が大きくなると半価幅も大きくなります。 | |
| 非破壊 溶接ビードの応力方向 | 継手の形状により測定可否があります。 | 溶接部の残留応力分布測定 |
| 微小域 残留応力 測定装置 | 当社はφ2mmの範囲で分解能は0.1mmほどです。 | |
| 分かりやすい疲れ破壊とは | 要望多数の場合は記事を作ります。 | |
| 平均応力が0の場合の疲労限 | S-N線図が該当します。 | 残留応力と疲労寿命の関係 |
| 溶接 内部応力が残っているか調べられるか | 中性子線を使うと内部応力を測定できますが空間分解能はmm単位です。 | |
| 溶接継手 板厚内部残留応力 | 中性子線を使うと内部応力を測定できますが空間分解能はmm単位です。 | |
| 溶接残留応力解析 | 表面の応力は測定可 | 溶接部の残留応力分布測定 |
| 溶接線 応力分布 | 表面の応力は測定可 | 溶接部の残留応力分布測定 |
| 溶接部 15ミリ | 溶接の応力は、止端線から10-15mmの範囲で測定します。 | 溶接部の残留応力分布測定 |
| 溶接部 応力測定した時の残留応力の影響 | 非接触で測定しますので影響はありません。 | 飲料缶の溶接部残留応力分布測定 |
2016年6月1日水曜日
徐々にご依頼が増えてきました。
- cosα法とsin2ψ法の測定結果が違う原因究明 材料に非線形性があり、cosα法とsin2ψ法のX線入射角度の違いが結果の違いになっていました。
- センサー用のステンレスの応力測定 通常は圧縮応力になっていることを確かめるのが多いのですが、センサーは応力が0が理想です。なるほど。
- 特殊な溶接の溶接部応力測定
www.x-rsmc.com
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